さっそくですが、貴社のホームページには「(お店、会社、商品、サービスの)利用エピソード」が描かれていますか?
もし無ければ、このコラムをお読みいただいた後、すぐに作成することをお勧めします。
私が住む藤沢(神奈川県藤沢市)の駅周辺には、数えきれないほど「整体院さんのようなお店」があります。
例えば私が、右膝の痛みが気になっていて、治療をしようかなあと考えているとします。
家族や友人に「藤沢近辺で膝の痛みについて詳しい整体院さんを知っているか」を尋ねることも出来ますが、まあ、普通は「ネット検索」をしますよね。
家族や友人が「藤沢近辺で膝の痛みについて詳しい整体院さん」を知っている確率よりも、検索で藤沢近辺の整体院さんが出てくる確率のほうが圧倒的に高く、また圧倒的にスピーディーだからです。
「整体 藤沢 膝痛」とかで検索しますよね。
ここで注目いただきたいのは、このような検索で出てくる整体院さんの多くは、「治療項目」などに膝痛と書かれているだけだったり、
・膝痛とは?
・膝痛のメカニズム
・当院の膝痛へのアプローチ、治療方針
などが書かれている程度のことが多いんです。
それはそれでもっともな話なのですが、右膝が痛い私は、膝痛のメカニズムが知りたい訳ではないんですよね。
簡単にいえば、「膝痛をなんとかしたい」という自分にピッタリなお店を探したいだけなんです。
・膝痛とは?
・膝痛のメカニズム
・当院の膝痛へのアプローチ、治療方針
この情報だけでは、自分にピッタリなのか。他でもない「私」にしっかり対応してくれそうかどうかが判断できない。つまり問い合わせや新規来店をする理由にならないんですね。
あくまでたとえ話ですが、このようなホームページが圧倒的に多いのが現状だと思います。
「問い合わせ」「来店」に直結するのが、「(お店、会社、商品、サービスの)利用エピソード」なんです。
例えばそういうホームページに、
・忙しいビジネスパーソンが膝痛で来院し、数回の施術で好転しました。当院は比較的遅い時間までやっているのでビジネスパーソンも多いです
とか、
・「整骨、接骨などのお店に通うのが初めてで不安もあったが、わかりやすい説明で安心した」という感想をいただいています
とか、
・膝の痛みは、じつはお尻の筋肉のかたさから来ていることを指摘し、自宅で出来るストレッチについてご案内したところ大変喜ばれました
とか、とにかく「膝痛そのものの話」ではなく「膝痛にまつわる、来店エピソード」を描くことで、
「ああ、なんとなく忙しい自分でも、ここなら行けそうかも」
「症状をうまく説明できなくても、しっかりと根本原因を探ってくれそうかも」
など、そのお店を選択する大きなきっかけを感じることができますよね。
エピソード(自店の「使われかた」)を描くことは、
・自分に相応しい(自分も利用して構わない)と思わせる(敷居を下げる)効果
・話を聞いてくれる(コミュニケーションができる)ことの証拠になる効果
が期待できます。
1、【客層を描写する】
・年齢はどうか?
・性別はどうか?
・住まいはどうか?(近いのか、遠くから来ているのか?)
・個人なのか?グループなのか?
2、【利用シーンを描写する】
・どういう「生活スタイルの変化」で来店したのか?
・どういう「イベント」(年間行事)で来店したのか?
・どういう「トラブル」で来店したのか?
・どこで出会ったから(どういうご縁で)来店したのか?
3、【課題を描写する】
・どういう「悩み」で来店したのか?
・どういう「不安」で来店したのか?
4、【利用度合を描写する】
・どれくらいの「頻度」で来店しているのか?
・どれくらいの「滞在時間」か?
5、【感想を描写する】
・お客様はどんな感想を言ったか?
こういう「(お店、会社、商品、サービスの)利用エピソード」をぜひ書いてほしいのです。
簡単に言うと、「どんな人が、どんなふうに利用したのですか?」。それを書いてほしいのです。
本稿ではたとえ話として「膝痛」とか「整体院」というお話をしましたが、利用エピソードを描くのが非常に大切であることは全ての業種のホームページに当てはまると、私は考えています。